1. HOME
  2. スケジュール
  3. 《特別展》近代花鳥画の名手 菊池芳文

《特別展》近代花鳥画の名手 菊池芳文

2020年1月25日 ~ 2020年3月8日

このたび笠岡市立竹喬美術館では、明治・大正の京都画壇において、花鳥画の名手として活躍した菊池芳文の展覧会を開催します。菊池芳文(1862~1918)は、文久2(1862)年に大坂で生まれ、ほどなくして菊池家の養子となります。明治14(1881)年から四条派の正系である幸野楳嶺に師事し、内弟子として本格的に学びました。明治15(1882)年の第1回内国絵画共進会展で銅賞を受賞。その後も、明治19(1886)年の京都青年絵画共進会展で第1席を獲得するなど、早くから高い評価を得ていました。

芳文は、竹内栖鳳や谷口香嶠、都路華香とともに「楳嶺四天王」の一人に数えられ、京都画壇において、重要な位置を占めるようになり、明治40(1907)年に開催された第1回文科省美術展覧会では審査員と務めています。明治42(1909)年に京都市立絵画専門学校が創立されると、教授に就き後進の指導にもあたっています。自らの画塾で門人たちを教えるのみならず、京都における日本画の発展に深く寄与しました。

芳文の描く花鳥画からは、卓越した色彩感覚や秀麗な描線によって、清澄な雰囲気が醸し出されています。その卓越した技能と清爽な作風は、弟子であり婿養子となった菊池契月へと継承されていきました。本展覧会では、京都画壇で竹内栖鳳と双璧をなしながらも、これまであまり注目されてこなかった菊池芳文に焦点を当て、芳文が果たした近代日本画における業績を見つめ直します。
◆笠岡市立竹喬美術館